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1990年10月。
大好きなダイスキな忌野清志郎のライブが観られる。「兄貴が実行委員会をやってるライブがあってさ、清志郎が出るって」と友達に誘われ、ワーイワーイと日本大学のどこだかの講堂に行った。

清志郎はもちろん、シナロケとか、あとは誰だったか、たしか日本音楽業界屈指のロックンロールな人々が、わさわさわさわさと出演していたように思う。

そして、ライブに行ってから初めて知ったのは、そのライブは「文化祭イベント」でもなければ「フェス的なライブ」でも「番組収録」でもなく、とあるエライ人のためにミュージシャンが集まって、そのエライ人へのリスペクトを示す為に開かれたライブらしいということだった。

そのエライ人の名前を聞いても馴染みがなくて「ふーん、なんか変な名前。誰?何やった人?」なーんて呑気に話をしていた。全く知らない人だった。

ライブの最後に、そのエライ人、忌野清志郎をはじめとするチョー大物ロックなアーティストが集結しちゃった御本人が、笑顔で手を振りながら登場した。

ネルソン・マンデラ氏だった。

27年間に及ぶ獄中生活から釈放されて9ヶ月後の初来日。

そう。いつの時代も若者は物は知らない。ヤング桜子もその友達も、東京のド真ん中出身で、有名高校、有名一流大学と言われるところにいたり進んだりするような、ひとまず朝、新聞には目を通すようなナイスなヤングだった。それでもよっぽど「変わってるヤツ」くらいしか、ネルソン・マンデラという名前を聞いてピンと来る人はいなかった。少なくとも私の周りはよくわかってなかった。

来日をコーディネートしたであろうロックロールじゃない感じのオジサンとかオバサンがチョー興奮気味に「自分たちにも誇りを持っちゃうカンジ」で熱く語っちゃったり、御本人の演説を聴いて、はじめて、「ああ、アパルトヘイトのためになんかしてる人なんだ」と知った。平和だった。

それでも、その日から「ネルソン・マンデラ」という名前の人には当然興味を持ち、そこからアフリカのことを気にするようになった。清志郎についてったらアパルトヘイトにぶつかった。


2013年3月。
「知らねーうちに漏れていた あきれたもんだなサマータイムブルース」という感じで原発を強烈に批判した清志郎の「原発いらねぇ」ソング『サマータイムブルース』が再び話題になった。『サマータイムブルース』の入ったアルバムは1988年に最初は東芝EMIから発売される予定だった。しかし、親会社の東芝が原子力発電関連企業ゆえ、歌詞が問題になり発売中止。なんでも東芝EMI側は「歌詞が素晴らし過ぎて出せない」というような茶番的説明をしたようで、「じゃあ発売中止の理由は『素晴らし過ぎるから』ってハッキリ出せよ」という清志郎のナイスな対応により、新聞に「素晴らしすぎて発売できません」との発売中止広告が出たのを覚えている。マンデラ氏来日の2年前の1988年。清志郎についていったら、原発の数の多さに驚いた。

2013年12月。
ネルソン・マンデラ氏は、95年の道のりを終え、旅立った。清志郎は4年半前、2009年5月2日に58年の道のりを終え、旅立った。

秘密保護法を大騒ぎしている隙をついたのか、経済産業省の審議している日本政府の新しい「エネルギー基本計画」では、原子力発電を「重要なベース電源」とするとした。アフリカの失業率は25%に届きそうで、犯罪率は高く、エイズなどの問題も山積みのままだ。

それでも、変化は起きているのだろう。深刻な病気に特効薬はない。長い時間病んでいたのであれば、そう簡単に治るというのもムシの良い話なのだろう。アフリカは黒人も選挙に参加出来るようになっているし、日本の原発問題も「問題などない」という時代ではなくなっている。解決はしていなくても、問題があることを知っている。


清志郎の音楽にフラフラとついていってみたら、知らなかった日本や世界の問題に「ちょっとだけ」気がつけた。今の音楽や舞台や映画にフラフラとついて行くと、どこに辿り着くだろう。

昨日のニュースでマンデラ氏の自伝の一部が紹介されていた。「山の頂に到達したと思ったら、登らなければならない山がまた、目の前に現れた」。

そーなのよね。ほんと。山の頂って、景色はいいけど、そこから見える遠き山々の高いことときたら。

それでも、前に一歩踏み出せば景色は変わる。

エベレストもマッターホルンも富士山も、最初の一歩、次の一歩、目の前の一歩を踏み出さないことには始まらない。さて、自分も自分の一歩を踏み出さないといかん。最初から大きいことをやろうとすると、自分の力のなさに愕然として、結局何もやらない。自分の足を一歩踏み出すだけならば、自分一人で出来る。一歩。一歩だ。

あ、たまにはタクシー移動とかぁ、飛行機移動するけどー。


などなどなど、想いが空飛ぶ2013年12月でした。
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